
厚生労働省「就労条件総合調査(2010年)」によると、地域手当の支給企業割合は12.3%となっています。社員数の多い企業ほど採用率が高く、社員数が少なくなるにつれて低くなっています。事業を広域に展開している社員数の多い会社は、地域によって物価や最低賃金が異なるため、導入している企業が多いようです。同じ会社で同じ業務を担当していても、同じ賃金制度でも平等さに欠けるケースがあり、生活費の調整をするために利用されている手当です。
Point1
福利厚生的な手当だが労働基準法上の賃金で割増賃金の単価に含めなければならない手当。慎重に導入しましょう。
Point2
一度作った手当を減額したり無くす場合は労働条件の不利益変更になります。制度をつくる段階で将来の不利益変更をできる限り避けられるようにしましょう。
支払い方について
地域手当の支給方法には、地域ごとに支給額を設定する「定額方式」と、地域ごとに支給割合を設定し、それにベースとなる賃金(基本給など)を乗じて支給額を決定する「定率方式」があります。
民間企業では、支給の利便性のため、地域ごとの定額方式を採用している場合が多いようです。賃金の変動に伴ってその都度地域手当が変わると、賃金の管理が煩雑になるためです。 参考までに統計データを紹介すると、厚生労働省「就労条件総合調査」(2010年)では、常用労働者30人以上の会社4,406社の集計データを公表しており、地域手当の平均額は18,235円となっています。