【新型コロナ】”WEBカメラ購入費”や”クラウド利用料”が助成される!?「テレワーク助成金」の中身と申請方法を社労士が解説!

「テレワーク助成金」を受給するために必要な手続きの手順は?

テレワーク助成金申請フローは以下のフローチャートの通りです。厚生労働省が主管となって実施する取り組みですが、書類の受付や相談対応は、「テレワーク相談センター」という外部組織が代理で行っています。問い合わせ先も、厚労省やハローワークではなく、「テレワーク相談センター」です。

手続きのおおまかな流れとしては、2020年5月29日(金)までに交付申請書類一式を「テレワーク相談センター」に提出します。交付申請の審査が通れば、テレワークの導入を行います。

ただし今回、「計画の事後提出もOK」とのことなので、計画を立てる前にテレワークを実施していても問題ありません。「この制度を知らずにもうテレワークを始めてしまった…」という企業であっても、今から申請すれば間に合います。

テレワーク導入後は、2020年7月15日(水)までに、支給申請を行うという流れです。つまり、「交付申請」と「支給申請」の2段階で申請を行うということですね。

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申請書類の種類と記入例

「交付申請」と「支給申請」の2段階に分かれていますが、それぞれどのような書類の提出が必要なのでしょうか。提出書類の種類と代表的な書類の記入例についてご紹介します。

「交付申請時」の提出書類一覧(2020年5月29日(金)までに提出)

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交付申請書(様式第1号)

この交付申請書は、簡単なのですぐに書けます。

1の「申請事業主について」は、助成金の対象企業であるかどうかを確かめるものです。労働保険番号と資本金、従業員数などを事実に即して記載します。大企業に該当している場合や、労災に加入していない場合などは、申請できません。

2の「消費税適用に関する事項」は、消費税を助成対象経費に含めるかどうかを決めて書きます。

3の「その他」も1と同様に、助成金の対象企業かどうかを確かめるもので、滞納や不正受給などがないことをチェックします。滞納、不正受給などがあれば、本助成金を申請することはできません。

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事業実施計画(様式第1号別添)

次の書類は、テレワーク導入の計画を書くものです。経費の計算式などを細かく書く書類なので、こちらの作成には、時間がかかるかもしれません。

1枚目から見てみましょう。この書類にある通り、テレワーク導入にあたり、「会議体」と「相談窓口」と「周知方法」をどうするか決めます。「会議体」や「相談窓口」は、新設しなくても、他の目的で行っているものに、今回の役割をつけ加えてもよいでしょう。「周知方法」は、社内メール通知など、いずれかを選択します。1枚目はこれだけなので、方針さえ決定していれば、すぐに書き終わります。

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2枚目です。この書類が本申請の「肝」だといえます。テレワーク導入のために出費する(あるいは、すでに出費した)金額を、分かりやすくこの用紙にまとめます。

助成上限額が100万円なので、200万円を少し超えた額で費やした費用を書けばよいと思います。200万円を大幅に超えた額を記載したとしても、助成額は変わらないので、あえて書く必要はありません。

記入例にあるように、金額の内訳が分かるよう、計算式も含めて書きます。領収書や納品書などの証明書類を添付しなければならないので、それらと齟齬のないよう見比べながら書きましょう。

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全てを書き終えたら、最後に合計額を(2)に書きます。そのうちの50%が助成額となるので、0.5をかけて1000円未満を切り捨てた金額を(3)に書きます。

最終的に(4)の金額を算出しますが、上限の100万円を超える場合は「100万円」としてください。超えない場合は、(3)と同じ額を記載します。

この書類に書いたことは、後ほど説明する「事業実施結果報告書」内に、ほぼ同様のことを書くので、手書きではなく、様式のWordに入力し、コピー&ペーストできるようにしておくとスムーズです。

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テレワーク対象労働者に派遣社員が含まれる場合は、別紙として対象者一覧をつけます。

あとは、交付申請時に添付としてつける書類(領収書・見積書・納品書など)を準備して完了です。

支給申請の提出書類一覧(2020年7月15日(水)までに提出)

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次に、交付申請の審査に通った場合に行う「支給申請」に必要な書類について紹介します。

交付申請の結果、不支給になる場合もあるので、支給の決定通知が来てから取りかかってもよいと思います。ただし、提出書類が多いので、どんな書類が必要なのかをあらかじめ確認し、心準備をしておくとよいでしょう。

支給申請書(様式第10号)

支給申請書には、確定した助成金申請額を書きます。2のその他は、すでに説明した通り、不支給要件に該当しないかどうかを確かめるものです。この書類は、申請額が固まっていれば、すぐに書けます。

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事業実施結果報告書(様式第11号)

こちらの書類に、一番時間がかかりそうですが、基本的には交付申請の際につくった計画をなぞるだけなので、見た目よりも楽です。

まず、1の「実施体制の整備のための措置」には、交付申請時に記載した「会議体」や「相談窓口」「周知」の実績について書きます。記載例にある通り、「○○という会議で、△△について話し合った」。「相談窓口は、○○とした」。「周知は△△で実施した」など、1~2行程度で端的にまとめて書けばOK。それぞれ、証拠となる添付資料が必要なので、保存しておかねばなりません。

次の2「支給対象の事業」については、申請金額の内訳を書きます。こちらも交付申請時におおかた作成しているので、変更がなければそのままコピー&ペーストし、変わった部分だけ右の欄に補足すれば完了です。

最後の「テレワークを実施した労働者のうち1名の氏名及び同意書」は、テレワーク実施者のうち、誰かひとりに署名してもらいます。直接雇用の社員であれば誰でもOKです。添付資料として、署名を行った人がテレワークを実施したと分かる証拠資料(出勤簿やタイムカードなど)が必要なので、その提出が容易な人を選ぶとスムーズです。




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これらの書類を作成し、添付書類をつけて申請書類一式を準備できたら提出します。

※申請のための様式とすべての記載例は「こちら」のページよりダウンロードできます。

提出先と提出方法、提出期限

書類の提出先は、「テレワーク相談センター」です。提出方法は「郵送で」とのこと。大切な書類なので、すべての書類についてコピーをとり、追跡できる方法で送付しましょう。


提出期限は、交付申請は5/29(金)〆、支給申請は7/15(水)〆です。

なお、以下に気をつけてほしいとの注意喚起がなされています。

  • ✓ A4判片面印刷 (× A4以外の用紙、 × 両面印刷)
  • ✓ ホチキス留め、クリップ留めはしない
  • ✓ 申請日は、郵送する日を記入
  • ✓ 助成金申請書には、会社代表者印を押印

まとめ

以上が、厚生労働省が実施するテレワーク助成金の概要と手続き方法についてでした。うまく使えばテレワーク導入に使った費用の約半分を助成してもらえます。つまり、50%OFF!たいへんお得です。活用できる企業も多そうなので、使ってみてはどうでしょうか。

※すべての情報は「2020/05/05」現在のもの

ライター:林 和歌子
大学卒業後、人材サービス大手で約12年間勤務。主に企業の採用活動に携わる。採用という入口だけではなく、その後の働き方にも領域を広げたいとの思いで独立。現在、採用支援を手がける傍ら、働き方に関するコンテンツなども執筆しています。京都大学文学部卒業(社会学専攻)。2015年、社会保険労務士の資格取得。
2020年05月12日